一章 桃園の誓い

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そのような事を三人がしていると、突如向こうの方で光の柱が空に向かって浮かび上がった。 すると三人はそれぞれ違う反応を見せた。 愛紗は桃香を守るべく光の柱と桃香の間に立ち盾となり、鈴々は直ぐに地面に放り投げた矛を持つと、構えを取った。桃香は愛紗の背中から恐る恐るといった具合に少しだけ顔を覗かせた。 光の柱は次第にその光を弱め、数秒後には跡も残さずに消えた。 トウカ「何何、今の何だったの!?」 アイシャ「ご安心を桃香さま。我と鈴々が付いています。それが妖だったとしても直ぐに切り伏せますよ」 リンリン「鈴々が行ってくるのだ。」 そして、鈴々が光の柱が浮かび上がった場所へと駆けていき、桃香と愛紗はその報告を待つ。 リンリン「おねぇ~ちゃ~ん!あいしゃ~!こっちに来てみるのだぁ~!」 と、様子を見に行った鈴々から二人を呼ぶ声が上がった。 トウカ「行ってみよう愛紗ちゃん。」 アイシャ「そうですね、行ってみましょう。」 桃香と愛紗の二人が鈴々のそばに行ってみると、そこには一人の少年が倒れていた。 リンリン「鈴々がここに来て見たら、倒れてたのだ。」 トウカ「男の人みたい……女の子見たいな綺麗な黒い髪……それに鼻が低くって、口は小さいし背が低かったらもっと可愛いのに……」 アイシャ「二人とも近寄ってはなりません。この者は光の柱が浮かんだところにいたのですよ!妖のたぐいかもしれません。」 鈴々が男の頭を指でつついているのを目で制し、桃香を己の後ろへと促し愛紗は男を観察するように一歩後退した。 一人警戒を強める愛紗に鈴々は、「大丈夫だよ~。」と言いながら頭をつつくことを止めようとはしない。また、桃香も、「そうだよ~。こんなに気持ちよさそうに寝てるし。」とクスクスと男を見て笑う。 二人に反論を述べようと愛紗が口を開くのと、少年が動いたのは同時だった。 リンリン「あ!動いた。つんつん♪」 トウカ「起きるのかなぁ?」 (んん~~……うるさい。俺の周りに誰かいるのかな?母さんはさっき台所にいたみたいだし。てか、何で真っ暗なんだ?あぁ、瞼閉じてるからじゃん。)
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