三章 反董卓連合 上

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星を仲間に加えた俺たちは、街の治安を守るため一日一日頑張っていた。 愛紗と星は新兵の訓練、桃香と鈴々は街の警邏、雛里が兵站の管理で、朱里が市の管理。と、まぁ皆を適材適所に置いた訳だけど、俺は皆の主人という事から、それら全部をやることに……… いやぁ…それを提案した朱里と、それに賛成した皆をこの時ばかりは恨んだね………。 でも、そのある意味で忙しい毎日を過ごしていく内に、この世界の常識に地理、政なんかは覚えていったし、新兵の訓練の際には、愛紗や星と組み手をさせられ、随分と強くなったと思う。十回に一回は、俺の攻撃が当たるようになったんだからな♪ そんなこんなで、多忙な毎日を送っていた俺たちの耳にその報せが届いたのは、俺が雛里に政について教わっていた時だった。 【漢の皇帝、霊帝死す】 その報せが俺たち、弱小勢力の下にも届いたのだから、他の緒候の耳に入らない訳がない。 朝廷内を牛耳る臣官、十常侍と、軍部を握る軍人とが、自分たちの懐中にある皇太子を即位させようと、血で血を洗う権力闘争を起こしたのだ。 霊帝の崩御に伴い、その妻である何太后、その兄である大将軍何進によって擁立された弁太子こと小帝弁。 そして臣官一派と霊帝の母である董太后に擁立された、聡明と評判の高い次子、劉協。 この二人の皇位争いは、直ぐに決着がついた。軍という実行部隊を持つ大将軍何進が、その力を背景に妹の息子である弁を即位させたのだ。 しかし、それも長くは続かない。十常侍らが何進を呼び出して暗殺をしたのだ。それによって、自らを守る盾を無くした何太后を洛陽より追放、暗殺した。 だが、何進の部下である将軍たちが黙っていなかった。報復とばかりに十常侍たちを急襲し、その何名かを排除することに成功する。 が、それを予感していた十常侍筆頭の張讓は、小帝弁と劉協を連れて都から逃亡していた。
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