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張讓は逃亡途中に、涼州に駐屯していた部隊を率いる董卓を味方に引き入れる。しかしそれも、都へと凱旋した張讓も董卓により、裏切られ殺されてしまう。
そうして権力の中枢に居座った董卓は、小帝弁を廃位し、次子であった劉協を玉座につけると、それを傀儡とし、自分を俺たちの世界で言うところの総理大臣『相国』という位につけ、朝廷内を牛耳っていった。
しかし、何進の部下であった将軍たちがそれを許す訳もなく、それぞれ任地で割拠の姿勢を取り始めていた。
それが、後の反董卓連合につながる第二の権力闘争である。
そして、その反董卓連合結成についての文が、各地で割拠する緒候に飛び、その一部が俺たちのところにも来たのだ。
――――――――――――――
玉座の間にて、河北の袁紹から届いた文を皆で読みながら、相談する俺たち。
時たま、皆の顔を窺って見るとその表情には既に答え等決まっている、と書いてあるようだった。
「なんだか、答えは決まっているみたいだな。」
トウカ「勿論だよ!董卓さんって長安の人たちに重税を課してるって聞くもん!」
桃香が下唇を噛みながら、
リンリン「董卓は悪い奴なのだ!だから鈴々は許せないのだ!」
鈴々が拳と拳をガツンッ、とかち合わせ、
アイシャ「力無き民のためそのような悪、この青龍偃月刀の錆にしてくれよう!」
ギリリ…と青龍刀を握る手が力を増していく愛紗。
三人ははじめて出合った時のような、真剣で、その思いを秘めた瞳を向けてくる。
「朱里、雛里、星の意見は?」
桃香たちとは対称的に、三人の表情は芳しくない。
セイ「ふむ。桃香さまたちが言うことは尤もだと思います。しかし、この文……」
シュリ「星さんも気付きましたか。この文には董卓っていう人を皆でやっつけましょうと書いてあります。しかし……」
ヒナリ「分かりやすすぎませんか?これはそんな単純なものでは無い気がします。」
三人が言いたいことは俺も気になっていた。長安の人たちが、力の無い人たちが苦しんでいる、その事は果たして真実なのか?
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