一章 桃園の誓い

8/13
前へ
/89ページ
次へ
トウカ「そうですよ♪にほん?っていうのはわかりませんけど」 ………やっぱり…なら 「えっと、今って西暦何年かわかる?」 トウカ「せいれき??」 う~ん……これもか。わかったことと言ったら『何かが』おかしいということだけか……… 現状を把握するためにした質問の答えが全部、俺が欲しい答えじゃなかった。落胆の顔を浮かべてしまうのは仕方のないことだが、そこに劉備が笑みを湛えた顔で俺を見てきた。 トウカ「あのね、あのね、次は私が質問しても良いかな?」 そんな顔で問われれば答えないなんてことは出来ない。 「ど、どうぞ。」 トウカ「お兄さんはどこから来たの?どうしてこんなところで寝ていたの?あと、どこの出身?」 「それがわかれば苦労はしないんだよね……どうしてここにいるのか。それは俺が一番教えて欲しいかな。出身は東京都台東区、浅草だよ。」 リンリン「あさくさ~?そんな邑あったっけ?」 アイシャ「いや。聞いたことがないな。それはどこの州だ?」 俺の答えにまたもや三人は、頭にハテナマークを浮かべているような顔をする。 「州って?」 トウカ「さっき教えた幽州とか、荊州とか、黄州とか……。もしかして都の洛陽出身?」 ………幽州って聞いたときにもしかしてとも思ったけど、荊州、黄州。さらには洛陽まで言われちゃ気づくなって方がおかしいよな。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

897人が本棚に入れています
本棚に追加