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彼はギターケースを担ぐと、早足で路地に消えて行った
「なによアイツ!!」
葵は、思いっきり足元の空き缶を、蹴り飛ばした
カラカラと、音をたてて転がって行き……そして止まる
駅前に放置された、空き缶を見ていると、頭に上っていた血が、少しずつ降りてきた
無愛想な彼だったけど
あの歌は……あの歌に賭ける想いは、本物だったはず
でもそれならばなにが、彼をそこまで、ストイックにさせるのだろう
「もう一度会えないかなぁ」
葵は自然とそう思えた
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