第2小節

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彼はギターケースを担ぐと、早足で路地に消えて行った 「なによアイツ!!」 葵は、思いっきり足元の空き缶を、蹴り飛ばした カラカラと、音をたてて転がって行き……そして止まる 駅前に放置された、空き缶を見ていると、頭に上っていた血が、少しずつ降りてきた 無愛想な彼だったけど あの歌は……あの歌に賭ける想いは、本物だったはず でもそれならばなにが、彼をそこまで、ストイックにさせるのだろう 「もう一度会えないかなぁ」 葵は自然とそう思えた
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