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そんな、両親と雅紀叔父様のやりとりを見ていた私は、雅人が近くにいないのに気付く。
「あれ?雅人は?」
私が言うと、両親も雅紀叔父様もキョロキョロと辺りを見渡し始めた・・・暫くすると、雅人は学校の周りを興味津々で見渡しながら歩いているのか、目の前に人が来ている事に気付いていない。
「雅人っ」
「雅人、危ないわ」
両親の叫ぶ声と、雅人が声の方に振り向くのと、雅人がその人にぶつかるのは同時だった・・・私は、雅人がぶつかるのを想像したけど・・・
その人は、雅人とぶつかる瞬間、しっかりと抱き止めてくれた。
「雅人」
両親は雅人に駆け寄っていく。そして・・・
「パパ、ママ」
雅人は両親を見て手を差し出す。お父さんは雅人を抱っこすると・・・
「雅人、勝手にうろうろしちゃダメでしょ」
「息子が迷惑をかけて申し訳ないね」
お母さんは雅人を叱って、お父さんはその人・・・その男の子にあやまっている。
「あっ、いいえ。大丈夫です。お気になさらずに」
男の子は、礼儀正しく言う。
「本当に息子が・・・ごめんなさいね」
お母さんもそう言って謝った。
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