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その後、カーテンコールに応えて、本当に舞台が終了を告げた。その間も両親の弾いた曲が流れていた。
―――――――――――――――
「終わったぁ」
舞台裏で、私と里中くんが椅子に崩れ落ちる様に座ると・・・
「美保、里中くん、お疲れ様」
美佐がそう言って、クラスの子達を引き連れて入ってきた・・・そして、クラッカーを鳴らす。
私も里中くんもびっくりしちゃう。
「二人ともお疲れ。」
「お疲れ様」
皆声を掛けてくれる。
「観てくれた人には大分好評だったよ。美保も里中くんもダンスが上手でびっくりしちゃった」
美佐が笑う。
「片付けはしておくから、二人は少し休んでなよ」
クラスの皆はそう言って、片付けを始める。私達は目を疑っちゃう。なんだろう・・・この協力的なのは。
そして、私は王子様姿のままの里中くんに声をかける。
「王子様、最後の方でセリフが変わってるのは何ですか?」
私が笑って言うと、
「シンデレラ、あれは、演出家の意図だよ」
里中くんも笑って切り返してくる。
「美佐が?」
里中くんはうなずく。
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