文化祭 ~舞台「シンデレラ」~

12/15
前へ
/147ページ
次へ
その後、カーテンコールに応えて、本当に舞台が終了を告げた。その間も両親の弾いた曲が流れていた。 ――――――――――――――― 「終わったぁ」 舞台裏で、私と里中くんが椅子に崩れ落ちる様に座ると・・・ 「美保、里中くん、お疲れ様」 美佐がそう言って、クラスの子達を引き連れて入ってきた・・・そして、クラッカーを鳴らす。 私も里中くんもびっくりしちゃう。 「二人ともお疲れ。」 「お疲れ様」 皆声を掛けてくれる。 「観てくれた人には大分好評だったよ。美保も里中くんもダンスが上手でびっくりしちゃった」 美佐が笑う。 「片付けはしておくから、二人は少し休んでなよ」 クラスの皆はそう言って、片付けを始める。私達は目を疑っちゃう。なんだろう・・・この協力的なのは。 そして、私は王子様姿のままの里中くんに声をかける。 「王子様、最後の方でセリフが変わってるのは何ですか?」 私が笑って言うと、 「シンデレラ、あれは、演出家の意図だよ」 里中くんも笑って切り返してくる。 「美佐が?」 里中くんはうなずく。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加