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私と里中くんはそう言って校舎へと向かいだす。無言が嫌で私は里中くんに思い切って声を掛ける。
「あっ、あの・・・」
「えっ?」
「弟がご迷惑をかけてごめんなさい」
私が思い切ってあやまると。
「気にしないで。可愛い弟さんだね」
里中くんはにっこり笑顔で言う・・・本当に良い笑顔で、私は思わずドキッとしてしまう。
なんだろう・・・今までに会った男の子には感じなかったこのドキドキ感。
私は思わず俯いてしまうと、里中くんが声を掛けてくる。
「柏木さんは何組?」
「えっ?D組だけど」
私が顔を上げて答えると、
「じゃ、同じクラスだね。改めて宜しく」
「うん。宜しくね」
里中くんが優しく微笑むから、私は少し顔が赤くなってしまう。
そのまま、教室まで入って行くと、私は里中くんと別れて、空いている席を捜し出す。
最後の方に来たから、殆ど席が残っていない。
私はやっと女の子が座っていて、空いている席を見つけて、先に座っていた女の子に声を掛ける。
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