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とある病室。
私は生まれたばかりの我が子を見つめ、微笑む。小さくて可愛らしい我が子。
私が赤ちゃんを見つめていると、病室のドアが静かにノックされて開く。
そこには、雅也さんと両親達が病室に入ってきた。
「美里」
雅也さんは私と赤ちゃんを見て、笑顔になる。
「美里、お疲れさま」
「美里ちゃん、雅也、おめでとう」
両親達も笑顔だ。
「雅也さん、女の子よ。抱っこしてあげて」
私が言うと、雅也さんは恐々と慣れない手つきで、我が子を抱き上げる。我が子を見つめる雅也さんの目は優しい。
「名前は?」
私が聞くと、
「・・・美保。君の名前は美保だよ」
雅也さんは、赤ちゃん・・・美保に言い聞かせるように言う。
「美保・・・いい名前ね」
「美保ちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんだよ」
両親達は既に初孫にめろめろになってる。誰が抱っこするかで、もめてる。
私も雅也さんも笑うしかない。
「美里、さっき直樹と優子にも赤ちゃんが生まれたよ・・・男の子だって。」
隣の病室にいる、優子さん達にも赤ちゃんが生まれたのだ。
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