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「あの・・・隣いいですか?」
私が言うと
「どうぞ」
彼女はそう言って笑う。可愛い笑顔で、とても女の子らしい。
うーん、私にはない女の子らしさだなぁ。私がそんな事を考えていると
「ねぇ、あなた、里中くんの彼女?」
隣の女の子は突然そんな事を言ってくる・・・私は一瞬意味が分からず、彼女を見つめてしまう
「彼女なの?」
彼女は再度聞いてくる。私はハッと我に返り
「違うよ」
首をブンブン降って否定する・・・初対面なのに、彼女はなにを言いだすのだろう。
「なーんだ、違うんだ。一緒に教室に入って来たから、彼女かと思ったよ」
彼女は平然と言い放つ・・・私の思考はまたストップしそう。
「私は、沢木美佐。宜しくね。あなたは?」
彼女・・・沢木美佐ちゃんは笑顔で自己紹介してくる。
「私は、柏木美保よ。こちらこそ宜しくね」
私がそう言って微笑むと、美佐ちゃんも笑顔を返してくれた。
これが、私と里中くんと美佐ちゃんの出会い・・・この出会いは本当に小さな小さな奇跡だったのだ。
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