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「いいえ。大丈夫です」
私が答えると
「お二人の赤ちゃんですか?可愛らしいですね」
奥さんはそう言って笑顔になる。
「ありがとうございます。とても可愛らしいお子さんですね」
優子さんは修一くんを見て笑顔になる。
「この子達、生まれた日が同じなんですね」
「本当。3人揃って同じ日ですね」
修一くんと美保と純矢くんは偶然にも同じ誕生日だった。
「この子達が大きくなったら、お友達になると良いですね」
「本当ですね」
私達はそう言って笑い合った。
この話が実現するのは、当分先の事。
更に、美保が赤ちゃんの時に修一くんと出会っていた事を知るのは、美保と修一くんが大人になってからの事。
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中学の入学式の日に偶然会ったと思っていた二人・・・
でもそれは、幼き日に出会っていた事が起こした、小さな奇跡だったのかもしれない。
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私と里中くんの本当の出会いは、記憶にも残っていない、本当に小さい時の出来事だったのだ。
Fin.
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