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ある土曜日の午後、優子さんが生まれたばかりの純矢くんを連れて遊びに来た。
「優子さん、どうぞ」
私は優子さんへお茶を差し出す。
「ありがとう」
優子さんはカップに手を伸ばす。私も向かいに座った。
「雅也先生は学校?」
「はい。家で仕事しようと思っていたらしいんですど、ついつい、美保と遊んじゃって、進まないんです。だから、学校でさっさと終わらせて帰ってくるって。純矢くんにも会いたがってましたよ。」
私がその時の様子を思い出して笑うと
「雅也くんがそこまで、子煩悩になるなんて以外だわ」
優子さんも笑う。
「雅弘さんや雅紀さんがいるから、子守りは手慣れてますよ。ただ、実の子は本当に可愛いって、美保にめろめろになってますけど」
私は笑いながら、眠っている美保を見る。
美保は純矢くんと並んですやすやと眠ってる。
「美保ちゃん、本当に可愛い。将来は美人さんになるわね」
「純矢くんだって、両親に似て色白だし、格好良くなると思います。モテそう」
私が純矢くんを見つめて言うと
「純矢、直樹に似ないでほしいわ」
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