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「多分雅也さんは素直に祝福しませんよ。純矢くんの事は認めると思いますけど」
「雅也くんは直樹をからかって楽しみそうね。でも結局最後は許しそうだけど」
「はい。そこは、雅也さんですから、娘の事を考えて認めてくれますよ。しっかり直樹先生を困らせた後に」
「まぁ、将来の事も、子供達の気持ちもまだ分からないけど、元気にすくすくと大きくなってくれれば良いわ」
「そうですね」
「でも、純矢が美保ちゃんの婚約者候補ということで」
「はい」
私達はそんな事を笑いながら言い合った。
母親達がそんな話をしているとも知らず、美保と純矢くんはすやすやと眠っていた。
学校から帰って来た父親達が、私達の話を聞いた途端、直樹先生は大喜び、雅也さんは案の定嫌がった。予想通りの反応だった。
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この日の私と優子さんが話していた【婚約者】話を美保と純矢くんが知るのは・・・当分先の話。
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これは、まだ美保と純矢の知らない、母親同士のささやかで小さな希望のお話。
Fin.
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