委員長

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中等科に入学して、二週間が過ぎた。 桜咲学院は幼稚園から大学まで揃っている、エスカレーター式の学校。 私は幼稚園からの内部進学者。里中くんや美佐は中等科からの外部入学者なんだ。 クラスの半分は内部進学者で残りの半分が外部入学者。 私としては、校舎が変わっただけで、学校生活を送るには不便さを感じない。 私と美佐は、あの入学式以来、仲良くなり友達になった。名前も似ているだけに、お互いすぐに呼び捨てになった。 そんな、学校生活にも慣れ始めたある日。 ――――――――――――――― 「今日のHRでは、学級委員を決めます。自薦・他薦問いませんので、誰かいませんか?」 担任の佐伯先生が言うと・・・一気に教室中が騒めく。 私としては、この瞬間が一番嫌い・・・過去の経験からして、大抵が良くない事ばかりだから。 私は美佐と全く関係無い話をしていると 「柏木さんが良いと思います」 内部進学者の女子が言いだす。 ほらね・・・やっぱり・・・こうなると、私の意志なんて関係ない・・・こんな光景は今まで嫌と言う程経験してきた。
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