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「あーあ・・・やっぱりこうなる」
私が若干低い声で小さく呟くと
「美保?」
美佐が不安そうに、私を見る。
「美佐・・・気にしないで、いつもの事だし」
私が諦めた様に言うと、美佐はますます不安そうに私を見る。
こんな光景はいつもの事だ・・・あいつが私の幼なじみである以上。
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松岡純矢・・・私の幼なじみで、初恋の人でもある。
両親に似て、容姿端麗で勉強も出来る。男女共に人気のあるやつだった。
でも、純矢は自分の容姿のみを見て騒ぐ女子が嫌で、男子も本当に仲の良い奴だけが友達だった・・・そして女子で仲が良かったのは幼なじみである私だけだった。
それは、私に女子の嫉妬を一身に集める事になった。なにかにつけて、面倒な仕事なんかは押し付けられた。
私も性格上、売られた喧嘩を買うタイプなので、どんな嫌な仕事でもやるもんだから、ますます女子の嫉妬を集めた。
純矢が転校しても、そういう風習は結局変わらないらしい。
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