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HRも終わり、私は帰り支度をして、美佐と一緒に教室を出ると
「柏木さん」
私は呼び止められたので、背後を振り返った・・・そこにいたのは、里中くんだった。
「里中くん?」
私が不思議そうにしていると
「ちょっと話があるんだけど良いかな?」
里中くんはそう言って、私を見つめる。
「美保、私先に帰るね」
美佐は里中くんの雰囲気に気を使ったのかそんな事を言いだす。
「美佐、ごめんね」
私はそう言って里中くんの方へ向かうと、里中くんは校舎の屋上に向かう様に歩き出していった・・・私も後追いかけていく。
―――――――――――――――
屋上にたどり着くと、里中くんが声を掛けてくれる・・・里中くんと会話するのは、入学式以来だ。
「柏木さん・・・正直に言ってもらいたいんだ」
「なにを?」
「学級委員に選ばれたの嫌だった?」
思いがけない一言に私は呆然としてしまう。
「なんか、さっき嫌そうだったじゃない?」
里中くんに私の内心を気付かれた様で、内心あたふたしてしまう。
嫌そうにしていたのがバレていたみたい。
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