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「それで、先程の話は考えて頂けましたか?」
俺の問いかけに、美朱は首を傾げる。
「もうお忘れですか?
それならもう一度言いましょう。
…俺を貴女の忠犬<イヌ>にしてくれませんか?」
俺の言葉に、それまであどけない顔で首を傾げていた彼女の表情がすーっと消えていく。
「私は忠犬以外はいらないよ」
その眼に映る全てのモノを凍らせてしまいそうな冷たい瞳
全てを拒絶するかのような冷たい声音
オレハコンナミアケハシラナイ
身体が、脳が、心臓が凍りついてしまいそうな程の衝撃を受けた。
一体、彼女に何があった!?
しかし、今は立ち止まってはいられない。目的を果たす為には手段は選ばないと決めたのだから。
「もちろん
…貴女の望むままに」
俺はそう言って微笑んだ。
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