最北の地

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「どうゆう事か説明して」 部屋のベットに腰掛けながら言った。 部屋は申し分なかった。空調は完備され、広さもクルーエルの寮部屋の5倍程もある、このホテルのおそらく最上級の部屋だった。だから尚更、クルーエルには事態が飲み込めなかった。 「あの人は誰?それにお金は大丈夫ってどうゆう事なの?」 ネイトは向かいのベットに座り、質問に答えた。 「あの人はこのホテルの支配人のミハイルさんです。昔、お母さんとここに来た時に吹雪で遭難していたところを、お母さんが助けた事があったんです。それで、ミハイルさんが、『今度いらっしゃる時には必ずお礼をいたします』って言ってくれたので、今回の宿泊費は無料なんです」 「そうだったの…。あれ?ネイトのお母さんって夜色名詠だよね?どうやって助けたの?」 クルーエルの疑問は当然だった。 夜色名詠は能力の高い名詠生物は多いが、しかし、火炎を生み出す名詠式ではない。 吹雪の中の遭難ならば、先ずは赤色名詠による熱源の確保が最優先である。 「あ、実は母さん、赤色名詠も使えたんです。少しでしたけど。学生時代に、赤色名詠を専攻してたらしいです」 「へぇ。そうだったの。知らなかったわ」 ところで、 「見せたいものって、何なのかしら?」
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