日常

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日常

無機質な音が部屋を満たした。俺は寝ぐせを気にしながら着替え、リビングに降りた。 『おはよう』 『おはよー、兄ちゃん』 『おはよう』 リビングのテーブルには、父親と弟2人が座っていた。 『おはよう、母さん』 俺は座りながら写真立てに言った。母親は、一番下の弟が3つの時に死んだ。まぁ、昔の写真なんかを父さんが写真立てに入れてくれるからいつもそばにいる気がする。 『駿兄ちゃん?』 一番下の孟(たける)が言った。 『ん?』 『今日もかえで姉ちゃん来るの?』 『さぁ?来るんじゃね』 『そんなこと言って、来なかったら心配なくせに』 二番目の耕平(こうへい)が茶化した。 『殴るぞ』 俺は一言言った。朝食食べ終え俺たち3人は、玄関で登校の準備をする。耕平は同じ高校の1年生。孟は中学1年生。孟の学校は俺たちの高校のすぐ隣にある。要は中高一貫ってやつ。 『おっはよー!!』 なんとも頭に響く声で立花かえでがドアを開けた。 『おはようございます』 耕平が後輩らしく挨拶をする。何を改まってんだか。 『いいねぇ~耕平。礼儀正しくて』 かえでは笑いながら言う。 『かえで姉ちゃんおはよう』 孟もニコニコしながら言う。 『おはよう孟。今日もかわいいなぁ♪食べちゃいたいよ。よかったね駿介に似なくて(笑)』 しゃがんで孟の頭を撫でながら上目で俺の方を見てかえでは言った。 『ほっとけ。早くしないと遅刻だぞ』 と言って俺は玄関を出る。それに続いて、かえで、孟、耕平の順で出る。 『怒った?気にしてんの?』 かえでは孟の手を引きながら聞いてくる。 『うるせーって』 『ありゃりゃ。孟~兄ちゃんヘソ曲げちゃったよ』 『気にしないでよ駿兄ちゃん』 『そうそう。』
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