317人が本棚に入れています
本棚に追加
黒と白の縦縞の幕。
あたりは、喪服の黒一色。
おばさま達の視線を集めている、その人はモノクロな空間に不似合いな空気を纏っていた。
黒い喪服。
黒髪にまじった茶髪がチラチラと見え隠れする。
伏せた大きな釣り目が、長いまつげを強調していた。
座って項垂れてはいるが、その手足の長さが、身長の高さを物語っているよう。
仏壇の前にドンと置かれた棺桶。
その中におばあちゃんは眠っているのだけれども
その棺桶のそばを一時も離れようともしないのだ。
まるで、その棺桶の番人だった。
.
最初のコメントを投稿しよう!