アタシの猫

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アタシの頬から滑り落ちて 乾いた畳の上にシミを作っていく涙。 辺りに充満しているお線香の臭いが鼻をツンとさせた。 近所のおばさまたちが、アタシに 「大丈夫?」 「気をしっかりね」 声をかけてくれる。 おばあちゃんと。おばあちゃんが、おばあちゃんで。 だなんて思い出に浸っていると、あっという間にお葬式が終わっていた。 人がたくさんいたのに、シンとしていた空間とは違った静けさがアタシを包んでいた。 .
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