アタシの猫

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その煙があっちにいったり、こっちにいったり。 眺めてるうちに、足の痺れも治っていた。 「こんにちわー。機材の片付けにまいりましたー」 ガラガラガラと玄関のドアが開かれて、業者さんであろう威勢の良い声が聞こえた。 あれ? でも、おかしいな。 片付けてもらえるような機材は、もうこの家には残っていない。 お葬式中は、パイプイスだとか長机だとか燈籠用のライトなんかがたくさんあったんだけど それもすっかり取り払われている。 忘れ物でもしたのかな、と思考してる間にも、威勢の良い声の人はドカドカと家に上がり込んできてるらしい。 いくら傷心とは言え、返事もしないで居留守みたいな事をしていたら、いけないな。と思い寝そべっていた体をようやく起こした。 「えーえーと、機材はどこかなー。誰かいませんかー」 あ。やっぱ、忘れ物か。 返事をしようとしたら 「えーえーと、誰もいませんよねー?」 怪しい笑い声まで聞こえてきた。 .
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