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その彼女が、ある日ひょっこり遊びに来て「無理をしたらいけんよ。身体に気をつけてね」と言ってくれた。「ありがとうね。貴女も無理をしないでね」と話をしながら店の飾り付けを冗談を言いながら手伝ってくれた。   元々病気がちだった彼女が、その夜救急車で運ばれ、2ヶ月後に、この世を去った。   自分が苦しい時に、しんどい時に、周りの人を労り、優しい声をかけていた彼女の生き方。そんな彼女に胸を張って「私なりに、精一杯生きたよ」と再会出来る様に、負けない生き方をすると誓い、彼女を送り出した。   彼女の人生は、短かったかも知れない。しかし多くの人に優しさと思いやり、生き抜く事の大切さを遺して逝った。   そして、その生き方が、遺された人の力となる事で、永遠に彼女が生きた意味が受け継がれ、肉体は無くなっても心が生き続けていくのだと思う。
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