プロローグ -新な創造-

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此処は何処だ・・・? 目を開けると、夜空が広がっていた。 起き上がって、辺りを見回すと木ばかりだ どうやら、森の中のようだな だが、此処からでは肝心な規模が分からない どれ程の距離を歩けば人里に出られるのか? どの方角に向かえば良いのか? 此処はいったい何処なのか? 此処からでは何も分からない 「おまえ・・・藤井か!?」 後ろから声が聞こえる。 振り向くと、そこにいたのは戸山だ。 大丈夫・・・記憶は失っていないようだ 「戸山、無事だったか!? 他の皆はどうした?」 俺はそう尋ねる。 戸山の制服は辺りを歩き回ったせいか、ボロボロになっている。 袖に何処かで引っ掛けたように破れた跡・・・ 裾には泥や砂が付着している。 「分からない・・・ この森で人を見たのは、おまえが初めてだ。 そもそも、あの時に何がどうなったのかも・・・」 戸山は悲しそうに答える。 その戸山の体は、小刻みに震えているように見える。 あの時か 扉を越えて、行き着いた先・・・ それが此処なんだが、俺にもそれぐらいしか分からない この世界の何処かにいるのか? この森の何処かにいるのか? それさえも分からない 「そうか・・・よく頑張ったな。 何が起きたのかも分からないのに・・・ 不安で不安で堪らないはずなのに・・・ おまえは前を向いて歩いている。 決して絶望する事なく・・・」 俺はそう言って、戸山を抱きしめる。
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