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歩き続けた俺達は苦労の末、小さな集落に辿り着いた。
家らしきモノが点々とある。
日は落ちかけ、体力は限界・・・
そんな俺達にとって、そこは楽園のようにも見えた。
「村・・・のようだな。
今日は此処で夜を明かそう。
泊まる所が在ればの話だが・・・」
俺は戸山にそう言う。
「そうだな。
泊まれないにしても、水と食料は欲しい。
食料すらない今、野宿するにも支障が出る。」
戸山はそう答える。
野宿か・・・
今日は何とかなるかもしれないが
明日からは逃れられない現実として、突き刺さるだろう
俺達二人は数ある家の一つの扉を叩く。
どうやら家は木造のようだ。
俺達がいた街からは考えられない
此処はいったい何処なんだ?
キィィー・・・
扉が開く。
そして、そこに現れた家の主には黒き羽が付いている。
何かの仮装行事か・・・?
「誰だい?
こんな時間に何のよう・・・」
家の主はそこで言葉を詰まらせ、その表情は驚きに満ちる。
主は羽が付いている以外は普通のおばさんと言った感じだ
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