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主をよく見ると、服の背中側に二つの穴があり、そこから肌が見える。
黒き羽は背中から直接、生えているようだ。
もしかして、悪魔なのか?
「大丈夫、大丈夫。
私が頼んであげるから。
あんた達は何にも心配しなくていいよ。」
主はそう言って、さらに強く腕を引っ張る。
これは好意なのか?
何か欲望のようにも感じる
だが、主が本当に悪魔なら、悪魔を知る良い機会かもしれないな
混沌を司ると言われている悪魔にも善意はあるのか?
本当に自分達の欲望のままに行動しているのか?
俺はそう考え、大人しくついて行く。
だが、戸山は何処か不審そうな様子だ。
「おばさんがこう言ってるんだし、大丈夫だって。
ほら、早く行こうぜ。
俺を信用しろ。」
俺は戸山をそう説得する。
考えれば、俺も悪魔と何ら変わらないのかもしれない
戸山を騙してでも、コイツらの手の内を知りたいと思っているんだからな
だが、生き抜く事は欲望であり、使命でもあり、仲間との約束でもある
そして、主はある家の前で立ち止まる。
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