私の靴

始まり

｢うるさい！そんな嘘信じないわよ！？鞄までぐしゃぐしゃなんだから、ジャージも着れないじゃない！貴女の服渡しなさいよ？！｣

不幸な少女は慌てて鞄からジャージを出し、ずぶ濡れな女の子に手渡しました。

ずぶ濡れな女の子は乱暴にジャージを受け取ると速足で廊下の向こうへと消えていきました。

不幸な少女は深い溜息をついて、怒りに任せ手に持っていた雑巾を勢いよく床に叩きつけました。

雑巾の水は床を跳ね、不幸な少女のおろしたてだった純白の靴下に灰色の水玉模様をつくりました。

｢ぁ…｣

不幸な少女はまた深い溜息をつきました。