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「え、ホント?君本当に人間?」
「はいっ?」
暗かったからよく見えませんでしたが、おそらく瞳をキラキラさせまるで犬が喜んで尾を振るようにその人は嬉しそうに私に話し掛けてきました。
「うわあ、良かったぁ。
成功したんだ。いやー、本当に失敗してたらどうしようと思ったよー。」
「な、何の話ですか?」
「ああ、僕はちょっと訳があってね、下界に降りてきたんだよ。 そしたら着地に失敗してね、その屋根からここまで転がり落ちちゃったんだ。」
一瞬の間。
意味が……分からない。
いや、心から意味が分かりませんでした。
着地?ということは空から降ってきたとでも言いたいのだろうか?
確かにそれならば屋根から落っこちたというのも納得……出来るわけねーよ。
……失礼、語尾が乱れました。
その人はそのまま私に話していましたが、その内容はほとんど理解できませんでした。
多分さっきの音は、この人いわく屋根から落っこちたという音なんでしょう。
音のわりには(あれだけ暴れていたのだから)大きな怪我はしていなさそうだし、被害といえば土の上をのたうち回ったために真っ白な服が汚れてしまったことぐらいだろうと思いました。
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