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緑豊かな大地と美しい湖に囲まれた小国シェファーズ。大陸の中心、文化の中心から外れた辺境の国でありながら周辺諸国から【天の花園】と呼ばれる平和な国だった。 しかし、いつもなら青々と続く空には暗雲が立ち込め、灰色の煙があちらこちらから空へと駆け上がっている。 緑豊かな黄金色の大地は踏みにじられ、きらきらと光る湖は赤く染まっていた。 大地を埋め尽くすほどの怒号の嵐。 【天の花園】は一瞬にして【地の悪夢】と化した。 その先頭に立つのは、神聖リリィアード帝国が誇る第一皇子アスタリオス・ラ・ジェラルド。 連戦連勝。 無敗の王子。 その悪鬼のごとき強さから諸外国から【鬼神 アスター】と恐れられていた。 「者ども。続けーーー!!! この勢いのまま城を落とすぞーー!!」 「「「「おおーーーーーーーー!!!!」」」」」 大陸屈指の大国リリィアードと平和に慣れた小国シェファーズとでは国力も兵力も差がありすぎた。 破竹の勢いで進軍するリリィアード軍になす術もなくシェファーズは滅亡寸前だった。
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