144人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
救急車が到着するまでの、七分の間に、その男は心臓が止まり、家族が店の人に、その男が倒れた旨を伝えた。
その際、後妻と店の経営者の間に激しい諍いがあった。
なお、話が前後するが、今も実際に営業を続ける店である為、店名と場所を伏せる事を読者の皆様には、御了承頂きたい。
その店は創業百年を超える老舗で、店の名前で商売が出来る程だ。それだけに、店の名前に傷がついては営業は立ち行かない。
通常、この手の老舗では、救急車が表に着く事を嫌う。この店も例外ではない。当然勝手に救急車を呼び、呼んだ後報告されては困る。
しかし後妻は、異常な倒れ方をしたのだから、救急車を呼ぶのは当然と主張する。店にしても、意見を曲げられず、我々に一言相談するべきだったと言い張ったが、もはや手遅れであった。
最初のコメントを投稿しよう!