遺言

2/6
前へ
/182ページ
次へ
二〇〇五年七月二十七日、二十時頃。 理不尽な暴行事件の加害者と被害者が、灰皿を囲む異質な部屋のなかで、異質なビデオの上映会がおこなわれていた。 タンコウハイツと言う名のボロイハイツで、すっかり冷めたインスタントコーヒーはテーブルの上のオブシェのように、場に馴染み、誰も手を付けなかった。 それ程ビデオの中身は衝撃的だった。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加