せっかちな死体

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折り合いの付かない口論に終止符を打ったのは、店で働いている一人の少年であった。 彼は追い回しと呼ばれる雑用係りで、高校も行かず、料理人になる為に福岡からやって来て働いている。 真面目な良い若者なのだそうだが、何分要領が悪く、鈍臭い少年だった。 店の人間も彼を軽視していた。誰も彼の発言の重要性を、高く期待していなかった。 しかし彼の発言は、ノロノロとした喋り方とは裏腹に、理路整然としていて、しかもかなり的を得ていた。以下の「」の文は彼の発言の抜粋である。
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