御厨邸の守り神

14/35
前へ
/182ページ
次へ
「それなんですがね」  弁護士は言った。 「不二男氏は、遺産を譲るのは、一人だけだと……」 まさに、骨肉争いの起きそうな内容だ。  「しかし、遺言の内容はまだ公開されてないのでしょう?」 あかりさんが確認した。 「そうです。 不二男氏が本当の事を言ってなければ、あまり意味がないでしょう。 しかし、今回見つかった遺言は、封筒に封がされてなかったのです。 そこで第一発見者の翠さんが……」 弁護士の言葉を翠婦人が申し訳なさそうに俯いて、言葉を引き取った。 「読んでしまいました」
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加