144人が本棚に入れています
本棚に追加
あかりさんは僕を睨みつけ、問い詰めた。
「まさか翠さんを信じるつもりじゃないでしょうね!」
当然僕には、信じるつもりはない。
だからと言ってあかりさんに全てを明かす訳にはいかない。
これは仕事だ。
学生時代とは違うのだから。
「信じるよ、あかりさん」
僕は努めて、平静を装いながら答えた。
あかりさんはさらに怖い顔をして言った。
「あんたは人が良すぎるのよ!疑うのが探偵の仕事でしょ!」
「疑うのは探偵の仕事でも、僕は探偵じゃない。探偵助手だ。
依頼主との信頼関係を築き、できるだけ的確に情報を探偵に渡す事が僕の仕事だ」
僕の返答にあかりさんは不機嫌に顔を歪めた。
最初のコメントを投稿しよう!