御厨邸の守り神

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あかりさんは僕を睨みつけ、問い詰めた。 「まさか翠さんを信じるつもりじゃないでしょうね!」 当然僕には、信じるつもりはない。 だからと言ってあかりさんに全てを明かす訳にはいかない。 これは仕事だ。 学生時代とは違うのだから。 「信じるよ、あかりさん」 僕は努めて、平静を装いながら答えた。 あかりさんはさらに怖い顔をして言った。 「あんたは人が良すぎるのよ!疑うのが探偵の仕事でしょ!」 「疑うのは探偵の仕事でも、僕は探偵じゃない。探偵助手だ。 依頼主との信頼関係を築き、できるだけ的確に情報を探偵に渡す事が僕の仕事だ」 僕の返答にあかりさんは不機嫌に顔を歪めた。
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