御厨邸の守り神

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機嫌を損ねると厄介な人物だ。 真剣に命の心配をした。 「あんたは昔から、年上の美人に弱すぎる! 鼻の下伸ばして、だらしないったらありゃしない!」 あかりさんは的外れな理由で怒っている。 確かに美人なのだが、それは関係なかった。 「あのね、あかりさん。 遺言の改ざんをしなければならない理由なんてまだ解らないでしょ? そもそも、古い遺言についてわかっているのは、誰か一人だけに遺産を相続させるって事しかないじゃないか? それどころか、新しい方の遺言の内容だって知らない。 まずは全部の話を聞く事が大事なんだよ。 疑うのはそれからでも遅くないじゃないか」 僕はあかりさんを宥めながら、弁護士と翠婦人の様子確認する。 弁護士は失礼のない程度に、翠婦人の肩に手を置いてヒソヒソと話している。
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