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数時間後、この発言により、店は救われる。
つまり、店が出したフグで死亡したのではないと、警察が認めた訳である。
それでもマスコミはオモシロオカシク事件を書き立てた。
勿論、疑惑という極薄のオブラートに包まれてはいたが、店の営業に大打撃を与え、結果一流の花板が店を去るという被害をもたらした。
マスコミの過剰な、しかも間違った報道が、一つの老舗を潰しかけたのだから、ひどいものだ
しかし、当の男の死体は心停止後、実に六時間三十九分と少し放置されたままだった。
そしてその結果、更なる惨劇を招く事になるとは、まだ誰も思っていなかった。
やはり男の死体は静かに待つ事が出来なかったからだ。
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