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一枚目の文章を、改めて注意深く読み始めた。
『 遺言状
私、御厨 不二男は、以下の通りに遺産を分配する
一つ、私の持つ個人的資産は全て四等分し、翠、直正、直素に分配し、残りを慈善事業に募金する。
二つ、会社に於ける地位は現状維持とする。
なお、不在の会長を翠とし出勤に値わず、私と同額を毎月支給する。
以上の事に異議を申し立てた者は、相続を放棄したものとする』
これが遺言の内容だ。
翠婦人にだけ、かなり有利な条件が整った遺言。
文章も短い。
『A4』のサイズの用紙の半分くらいしか、文字がない。
しかし、直筆のサインは二枚目の用紙に書かれている。
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