せっかちな死体

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――この第一章は事件が解決した後、関係者から伺った話をまとめたものだ。 当たり前の話ではあるが、この時、この事件が小説になるとは露とも考えておらず、記録についても、不馴れな時期である為、走り書きのメモも読み難かった。 しかもインターネットで事務所を設立して、初めての事件である為、資料のファイルの仕方や、整理にも、かなりの不備があった。その為、ファイルの破損、紛失も多からずだがあった。 しかし、それは決して言い訳にはならない。 我が事務所の探偵・片桐良太郎の、脅威の記憶力により、やっと今回の事件を再現する事ができた。 この章での語られる物語には、証言者がした表現に多少の差異があったとしても、事実に基づいたものだと断言する――
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