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純子さんと呼ばれたお手伝いさんは、言い難そうに言った。
「……
ですが、あの……
お掃除がまだ終わってないのですが……」
岩元氏はまるで外国人のようにウィンクしながら純子さんを説得した。
「他のお手伝いさん達に何か言われるようなら、岩元の用件だと言えば良いのです」
半ば強引に『用件』を押し付けて、岩元氏は颯爽と去って言った。
「カッコいい……」
僕は思わず呟いてしまった。
古臭い仕種と思われるウィンクも、素敵なおじさまにかかれば魔法のようにカッコいいのだ。
純子さんは少しポッチャリした可愛い女の子で、高校生か、下手をすれば中学生のように見える。
二十三歳だそうだが、とてもそうは見えなかった。
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