144人が本棚に入れています
本棚に追加
純子さんは短い前髪を触りながら、恥ずかしそうに自己紹介した。
「佐々岡純子です」
クリッとした大きな目があちこちに動いている。
人見知りする方なのだろう。
彼女の仕種は、とても可愛いらしかった。
「えぇっと、ここがエントリャ……
……エントランスです」
会議に使った本棚の部屋を出て直ぐの場所だ。
玄関の大扉から見て左手の一番奥が本棚の部屋だ。
ちなみにこの時純子さんは言葉を噛んだ事を悔しがり、足をバタバタとさせながら『噛んじゃった!』と小声で言った。
あかりさんもさっきまでとうって変わって、純子さんの可愛い仕種に和んでいるようだ。
エントランスは二階まで吹き抜けになっていて、大きなシャンデリアが天井に縦に三つ並んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!