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――純子さんは見せなくても良い物置まで案内し、他のお手伝いさんに叱られたそうである――
玄関の真正面、エントランスを挟んで中央塔がある。
一階部分は、一番最初に通されたダンスホールだ。
ダンスホールの中は見ていたが、南側にある窓からの景色は――これを景色と呼ぶかは定かではないが――かなり衝撃的だった。
「あれ、底なし沼なんです。
決して近付かないでください」
純子さんの説明では、この沼は御厨家がこの場所に引越した当初から存在し、――勿論この城は不二男氏が一代で築いた財産で新しく建てたもので、始めから建っていたわけではないが――何度も埋め立てようとしたがその度に不審な事故が相次いだ。
不二男氏は、この沼に何らかの力を感じたらしく、そのままの形で現在も残っている。
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