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しかし気付いたからと言って、純子さんから楽しみを奪って良いはずがない。
小さな身長がますます縮んでしまっている。
可哀想に。
「どうやって隠し扉を開けるんですか?
純子さんがいないと開けられないなぁ」
なんとかご機嫌を取って自慢の隠し扉を開けてもらった。
純子さんは隠し扉の位置が一発ではわからず、ただの壁を何度も押した。
その様子を見た、あかりさんは、隠し扉の位置を教えようとして、僕が必死で止めた。
空気を読めないのは、探偵と同じらしい。
やっと本物の隠し扉にたどり着いた純子さんが、壁を押した。
壁が一箇所だけ奥に引っ込んだ。
ただの壁が、扉のように開いた!
真っ暗な扉の奥に微かに何か見えた瞬間、灯が点った。
そこには階段があった。
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