からくり屋敷の隠し扉

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御厨邸の二階には客室と家族の寝室があった。 僕達が覗いて良い領域は次第になくなってきた。 詳しい間取りは後ほど説明させていただきたい。 この章において必要なのは、『塔』の説明だ。 賢い読者の皆さんは多分お気付きであろうかと思うが、何故僕が『棟』ではなく『塔』と表現してきたのか。 それは、当然それぞれが塔だからだ。 西塔、東塔、中央塔には、二階の上にそれぞれ円柱型の塔がある。 中央塔の二階部分はお客様が遊ぶ為の遊戯室だ。 その上の階、つまり円柱型の塔は、不二男氏と翠婦人の寝室である為、この時は入室しなかった。 遊戯室の中には、玄関から見て真正面の扉の他に、東と西に扉があった。 ビリヤード台や、ダーツのセットや、カウンターテーブルで仕切られたホームバーがある。
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