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健吾はおどおどしながらも話し始めた。
やっと解剖の許可が降りて、別室で待機していた検察官、西崎治は、死体の安置してある解剖室に急いだ。
しかし、簡易ベッドの上には死体はなく、解剖室の中に、制服警官が気絶していた。
しかも、制服警官の制服は脱がされて、もはや制服警官ではなくパンツ一丁警官になっていたという。
僕は健吾に確認する。
「見張りをしていた警官が気絶させられていて、死体が盗まれたって事やね?」
健吾は青ざめた顔をブルンブルンと激しくふり、正しく訂正した。
「死体が起き上がって逃げたとよ……」
僕と良太郎は二人で顔を見合わせた。
良太郎も同じ考えのようだ。
僕は健吾に思っている事を言った。
「死んどらんかったんや!
なんね、それじゃ家族が勝手に死んどうと勘違いしとっただけやないね!」
やっぱり健吾は首を降っている。
「どういう事ね?」
良太郎が聞いた。
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