プロローグ

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 プロローグ

僕たちは世界有数の、探偵事務所の職員だ。しかし、世間にそれを認めさせるのは至難の業だ。 僕たちの活躍を少しでも多くの方に知って頂く為に、ペンを手にする事にした。 こんな書き出しから、なんと生意気な…… と思われる読者もいらっしゃるだろうから、断わっておく事にする。 僕はタダの助手で、優秀なのは探偵、片桐良太郎、その人だ。 さて、今まで沢山の難事件を解決してきたわけだが、とりわけマスコミの話題をさらったあの事件は読者もご存じであろう事と思う。 まだ僕たちが、自社ビルも持たない頃の話だ。あの御厨一家連続殺人事件の事だ。 もっとも、あの事件の解決に我々が力を貸した事は、極一分の関係者しか知らない事だ。しかし、今からする話は、全て事実である事を忘れないで頂きたい。
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