御厨家の人々 (翠婦人の長い長い愚痴)

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婦人は僕たち二人を失礼のない程度見つめながら、挨拶をした。 「はじめまして。御厨翠と申します。」 「はじめまして、探偵の片桐です。そして此所に居るのが……」 「探偵助手の須賀です。」 挨拶もそこそこに、話を伺う事にした。 婦人はまだ、依頼をするかどうかはわからないと言った。 「家族にも相談しなければなりませんし、それに……」 婦人は言いにくそうにしていたので、僕が答えを引き取った。 「なんの実績もない探偵に、依頼するのは、気が進まないと……」 「……申し訳ありません。」 婦人は本当に申し訳なさそうに断わった。
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