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「行方不明のはずの主人を最初に見掛けたのは、自宅から十キロ程離れた場所に住む、御厨不動産の専務の奥様と息子さんです」
オドオドしながら、婦人が説明を始めた。
「汚れたお巡りさんのような格好をして、右足を引き摺るように歩いていたと言うお話でした。
専務の奥様も始めは気のせいだと思って私に連絡するのを躊躇っていました。
でも、その日の夕方のニュースで主人が死体安置所から、消えた事を伝えたんです。
見張りをしていた警官の失態を批判する内容だったそうですが、昼に目撃した主人が、制服警官の格好だった事を考ると、悪い予感がしたそうなのです」
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