御厨不二男の目撃談

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僕は慌ててメモ帳を取り出して、時間帯と事柄をメモ帳に書き取った。全部をなんとかメモしてから尋ねた。 「目撃談は他にもあるんですか?」 「ええ、見間違えかもしれないと皆さんが言われるので、確証はないんですが……」 翠婦人は自信がなさそうだ。 突然良太郎が口を挟む。 そういえば、良太郎も居たんだっけ…… 「確証など必要ありませんよ。 どんな事でも話してくださいね。訓太君が全部メモを取ってくれますから」 ……言いたい放題だな、コイツ。 しかしそれにしても、この外面の良さには、毎度の事ながら舌を巻く。普断は君付けで呼んだ試しがないくせに……
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