容疑者はリビングデット?

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二〇〇五年七月二十七日。 うだるような暑さが鬱陶しく身体に纏わりついて、僕は眼を覚ました。 ここ最近なりを潜めていた夏が、再びボロボロのハイツとその住人を襲い出していた。 健吾からの電話からかれこれ四日。 それでも事件は一向に解決の兆しもなく、僕はイライラを募らせていた。 探偵は何かを悟っているようだが、『確証がない為明かせない』の一点張りだ。 チャラチャラとした身なりも改めず、お金持ちの翠婦人をバカにした態度とるような男が、変な所で律儀なのだから、僕はますますイライラする。
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