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その時ニュースは知らない誰かの死亡を伝えていた。
喫茶店はちょうどランチタイムを迎えていて、とてもニュースには目や耳を奪われたりしている余裕なんてなかった。
なんとかバイトを終えて、タンコウハイツに帰り着いた僕に、良太郎は睨みつけて抗議した。
「遅いじゃないか……」
探偵は何故か憔悴した様子で言った。
「あんなに質の悪い夢は初めてだよ……」
それは可哀想だが、二十六の良い大人が悪夢にうなされ、友達に早く帰って来てほしいと願うものか?
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